「三重脅迫」とはなにか? サイバー攻撃集団が日本に“宣戦布告”世界を読み解くニュース・サロン(3/5 ページ)

» 2022年09月15日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

日本企業もかなりの被害に

 ランサムウェアには日本企業もかなり被害に遭っているので、ビジネスパーソンの中にはどういう攻撃なのかはよく知っている人も多いかもしれない。あらためて説明すると、サイバー攻撃で企業などのシステムにランサムウェア(身代金要求型ウイルス)を感染させ、システムを勝手に暗号化してしまい、解除したければカネ(身代金)を払えと脅すものだ。

 ただ日本政府や警察は、企業に身代金は支払わないようプレッシャーをかけているので、それに従って支払わない動きが大手企業を中心に目立っている。となるとやられっぱなしになってしまうが、最近ではその対策として、自社システムのデータをバックアップしておいて、万が一ランサムウェアに感染したら、自分たちでPCを新しく入れ替えた上でデータをバックアップから戻すなどしている。

やられっぱなしの日本企業(画像はイメージ)

 そうなると、サイバー攻撃側は商売があがったりなので、新たな手口を使い出した。ランサムウェアに感染させるのと同時に、システムから企業の大事なデータを盗み出す。そして身代金を払わなかったら、暗号を解除しないだけでなく、データを公開するぞと脅迫する。

 これがいま主流になっているランサムウェアの「二重脅迫」である。ロシア系ランサムウェア攻撃集団の「Lockbit」や「Ragnar Locker」など大規模な攻撃を行う有名なグループは、自分たちの公式サイトで企業データなどを暴露している。

 そしてこれに、DDos攻撃を加えた「三重脅迫」をする攻撃が話題になりつつある。

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