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静岡県下田に移住者が集まる必然性 キーパーソンは”よそ者”(1/4 ページ)

» 2022年09月20日 07時30分 公開
[熊谷紗希ITmedia]

 静岡県下田市に移住する人が増えている。ペリー黒船艦隊が来航した港としても有名な町だ。2018年の移住者数は6人だったが、21年にはコロナ禍の影響もあり46人に上った。移住の相談件数も増加傾向にある。21年は153件と、18年(48件)の3倍以上を記録した

 なぜこんなにも移住希望者が増えているのか。下田に滞在し、その魅力を探ってみた。今回利用したのはLIFULLが運営する、地方型シェアサテライトオフィスと宿泊施設を持つ共同運営型コミュニティ「LivingAnywhere Commons(以下、LAC)」だ。自宅やオフィスといった場所に縛られないライフスタイルの実践を目的としたコミュニティで、会員になるとLACが保有する宿泊拠点を自由に利用することができる。

LAC伊豆下田外観(画像:LIFULL提供)

 現在の拠点数は北海道から沖縄まで44拠点(22年9月取材時)。直営拠点の1つである伊豆下田では、同社の社員兼利用者と拠点に在籍するコミュニティマネージャーが定期的に開催するイベントがにぎわいを生んでいるという。観光客としてではなく、地域住民やたまたま同じ拠点に滞在している会員との交流が生まれるような設計になっている。

 筆者は土日を含む4日間、伊豆下田拠点に滞在した。平日は仕事をして、土日は「てとてとしもだ」というLAC主催のイベントに参加。伊豆下田は人気拠点のためLAC会員の中でもリピーターが多く、みんな顔見知りの雰囲気があった。そこまで人見知りではない筆者も、慣れるまでは少々気まずさを感じた。地域特有の内輪感がぬぐえないと移住者の定着は難しいのではないかと初日は懸念していたが、徐々に杞憂(きゆう)だったと気付く滞在となる。

なぜ移住先に下田が選ばれるのか? イベントに参加して実態を探ってみた ※画像は伊豆下田拠点の内装
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