FOREVER21が2023年春日本再上陸。仕掛けるアダストリアってどんな企業?

» 2022年09月22日 14時09分 公開

 FOREVER21が2023年春、日本再上陸する。

 2000年に三愛と提携して日本進出するも、1年で撤退。2009年に単独で日本進出、そして19年に経営破綻と日本撤退した。来春、日本市場に三度目の上陸を果たす。

 かつてのFOREVER21は、韓国出身のドン・チャン氏が米ロサンゼルスにて創業したファストファッションブランドだ。原宿に1号店、その後銀座にオープンした旗艦店は圧巻であった。

 しかし、勢いは長く続かず、ユニクロを代表としたファストファッションの流行は、「GU」や「しまむら」などに人気が奪われた。さらに、日本では脱ファストファッションの動きが加速し、消費者はメルカリや古着などの2次流通を利用するとともに、お気に入りを大事に使う流れだ。FOREVER21の衰退を決定付けたのが、本格的なECがなく実店舗での販売に依存してしまったことだろう。

 今回、ECを含む店舗運営と販売を手掛けるのはアダストリア(東証プライム市場 2685)だ。「グローバルワーク」「ローリーズファーム」「ニコアンド」といった人気カジュアルブランドをSCや駅ビルを中心に展開している。加えて、ニノ君の「どっと変わっちゃえ」CMでおなじみの1400万人の会員を有するネット通販「ドットエスティ」が強みだ。

 もともとは茨城県水戸市で創業、まずはメンズカジュアル、その後レディーズカジュアルに進出し、現在は20代女性向けを主流とするアパレル会社だ。

photo (出所:アダストリアWebページ)多数ブランドを有する。

 21日の記者会見で、アダストリアは「グループが掲げる大テーマは “トレンド&ハイクオリティへの転換”」としたうえで、「かつての大量生産・大量販売・大量廃棄、といったイメージから脱却し、現在の日本マーケットにローカライズしたファッション」としてFOREVER21を位置付けた。

 FOREVER21に限らず、海外のH&MやZARAといったブランドがなかなか日本市場に浸透しきれていない理由の1つが、日本人向けの「好み」やサイズかもしれない。日本市場から2度撤退したFOREVER21、アダストリアの仕掛けで3度目の正直となるか注目だ。

photo (出所:筆者作成)2月に飲食店「アロハテーブル」を展開するゼットン(名証ネクスト市場 3057)を子会社化した。

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