高級食パンブームをけん引してきた乃が美ホールディングスは、今年に入って新たな取り組みを次々と打ち出している。7月から商品のラインアップを『創業乃が美』と『黒山乃が美』の2つにしたことは、前編【高級食パンブームに陰り 乃が美が、“焦がし”というタブーに挑戦したワケ】で触れた。
もう一つの変化は情報発信だ。『創業乃が美』の前身である『復刻「生」食パン』と、『黒山乃が美』を発売する際には、発表会と試食会を開催した。6月に開催された『黒山乃が美』の発表会では、その日にデビュー42周年を迎えた歌手の田原俊彦氏と、フリーアナウンサーの宇賀なつみ氏が登壇して、トークセッションも実施した。
乃が美が新たな取り組みに力を入れているのは、高級食パンブームに陰りが見えたと言われることが背景にある。そこで単に危機感を持つのではなく、高級食パンのリーディングカンパニーとして「変えること」と「変えないこと」を選択しながら、さらなる成長を目指している。その戦略を、乃が美ホールディングスの小林祐人取締役営業本部長に聞いた。
高級食パン専門店の乃が美は2013年に創業し、現在では47都道府県に約250店舗、海外では台湾に1店舗を展開している。乃が美が店舗を増やす一方、競合する他社も店舗を増やしていくことで、高級食パンブームが全国で起きた。
ただ、ここに来て他社では店舗の閉鎖も目立つようになり、ブームに陰りが見えたとメディアで伝えられることが多くなった。高級食パンのリーディングカンパニーである乃が美が現状をどのように見ているのかを小林氏に聞くと、「ブームを起こすつもりはなかった」と意外な答えが返ってきた。
「もともとなぜブームになったのか、正直なところ当社では分かっていません。ブームを起こすという観点では考えていませんでした。
推測で言えば、今までになかった高級食パンに関心を持っていただいて、商品として気に入っていただいた結果、店舗に行列が出来ました。そこに競合他社が加わることで競争が生まれ、メディアの方も取り上げやすくなったことで、目を向けてもらえる方が増えてブームが起きたのかなと思っています。
ただ、ブームは一過性なので、いつか終わると思っていました。当社の姿勢は変わっていません。環境だけが変化したと思っています。その変化を見ているだけではしようがないので、当社としてお客さまにどのような貢献ができるのか、何を発信すべきかを考えたのが、4月以降の取り組みです」
高級食パンブームに陰り 乃が美が、“焦がし”というタブーに挑戦したワケ
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