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高級食パンブームに陰り 乃が美が、“焦がし”というタブーに挑戦したワケ構想9年、試作は100回以上(1/4 ページ)

» 2022年09月28日 05時00分 公開
[田中圭太郎ITmedia]

 主食として毎日食べても飽きない食パンを通じて、「食文化の創造」の実現を目指す。高級食パンのリーディングカンパニーとして全国に約250店舗、台湾に1店舗を展開する乃が美ホールディングスは7月、『黒山乃が美』の販売を始めた

photo フリーアナウンサーの宇賀なつみ氏が発表会で『黒山乃が美』を披露した

 独自に開発した「おこげ製法」により、香ばしさとうまみがある焦がしをつけた山型食パンだ。創業時から構想し、9年の時を経て商品化した。

photo 『黒山乃が美』

 乃が美では4月、それまで販売していた既存の「生」食パンを全て、創業当時の素材配合で作る『復刻「生」食パン』に切り替え、期間限定で販売した。すると、わずか1カ月で100万本を販売するなど好評を得た。そこで7月からは名称を『創業乃が美』に変更し、『黒山乃が美』とともにメインの商品として販売を展開している。

photo 『復刻「生」食パン』の名称を『創業乃が美』に変更
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 この時期に乃が美が新商品を展開する背景には、高級食パンブームに陰りが見えたことがある。ITmedia ビジネスオンラインは、乃が美ホールディングスの小林祐人取締役営業本部長に、新たな取り組みと今後の戦略などについてインタビューした。前編では『黒山乃が美』開発の裏側を聞く。

photo 乃が美ホールディングスの小林祐人取締役営業本部長

100回以上の試行錯誤 実現した焦がし

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