スタバが打ち出したビジョンには、中国市場への強い期待がうかがえる。創業者で暫定CEOのハワード・シュルツ氏は「中国の若者の間でコーヒーは日常的な飲み物になっており、スタバは長期的な成長のために投資を続ける」と述べた。
同社によると、中国消費者の年間コーヒー消費量は14年は3杯足らずだったが、現在は10〜12杯まで増えた。全日本コーヒー協会の調査によると、日本人のコーヒー消費量は1週間あたりで平均11.53杯(20年)なので、日本を基準とすると52倍の伸びしろがあることになる。
また中国・市場調査会社の艾瑞諮詢(iResearch)は「中国焙煎コーヒー業界研究レポート」で、21年の焙煎コーヒー市場規模が前年比38.9%増の876億元(約1兆7500億円)に達し、24年は1900億元(約3兆8000億円)に拡大すると予測。チェーン店は現在南部と大都市に集中しており、北部、中西部、中小都市の成長余地が大きいと分析した。
実はスタバの中国市場は。感染者が出るたびに厳しい行動制限を課す“ゼロコロナ戦略”の影響で低迷している。22年4-6月の中国市場の売上高は、前年同期比40%減の5億4000万ドル(約780億円)。既存店売上高は同44%、客単価は1%減少した。それでもスタバは感染が収束すれば中国のコーヒー消費は勢いを取り戻すと確信し、9月26日には上海に6000店舗目を出店した。
9月26日に出店した、中国で6000店舗目となる上海のLIPPO PLAZA店。上海はスタバにとって1000番目の出店都市であり、LIPPO PLAZAはスタバが上海で最初の店舗をオープンした場所だという(出典:スターバックス、Starbucks Opens its 6,000th Store in China)中国国内のスタバの店舗数は18年末時点で3600店舗だったが、そこから4年弱で一気に2400店舗増やしており、コロナ禍でも躊躇なく出店を続けていることが分かる。
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