スマホ失った「ファーウェイ」の新たな戦い方、日本人消費者の声取り入れヒット産む浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(1/7 ページ)

» 2022年09月15日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

 「今、ちょうどMate 50シリーズの発表会をしていますよ。5Gには対応できなかったけど、衛星通信と接続できます」

 9月6日に中国通信機器メーカーファーウェイ・ジャパンのオフィスを訪ねると、端末部門の日本・韓国地域トップを務める楊涛(ヤンタオ)氏が、スマートフォンを取り出し発表会の生配信を見せてくれた。

 その日、ファーウェイはハイエンド端末Mateシリーズの新製品を2年ぶりに発表した。だが、米国の輸出規制によってアンドロイドOSやグーグルのアプリストアを搭載できないことから、同製品は日本では発売予定がない。

 当日のガジェット界の話題は、アップルが7日(現地時間)に発表するiPhone 14一色に染まっていた。

 ファーウェイは2020年6月のP40シリーズ以来、日本でスマートフォンをリリースできていない。企業の「顔」ともいえる商品を失ってから、楊氏は「日本のお客様にとっての製品の価値を、より深く考えるようになった」と話す。

 5月末に発表した日本企業と共同開発のオーディオグラスは、在宅勤務のビジネスパーソンに受け入れられ、順調に売れ行きを伸ばしている。

日本の眼鏡チェーンのオンデーズと共同開発した「OWNDAYS×HUAWEI Eyewear」の発表会には、製品を着用したファーウェイ端末部門の楊涛氏(左)と、オンデーズの田中修治社長が出席
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