スマホ失った「ファーウェイ」の新たな戦い方、日本人消費者の声取り入れヒット産む:浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(5/7 ページ)
田中社長とファーウェイの楊氏は21年9月に初めて顔を合わせた。初対面とは思えないくらい細かい話ができて、すぐに提携が決まったと2人は声をそろえる。
製品のフロント部分をオンデーズが、弦の部分をファーウェイが担当して開発を進めた。
楊氏は「オンデーズからは日本人の輪郭に合うフロントフレームの提案を多くいただきました。『日本人はあまりサングラスを使わない』といった使用習慣も教えてもらいました」と振り返る。
ファーウェイにとっては販路開拓の面でもプラスになった。オーディオグラスは新しいジャンルのため、家電量販店でもどの売り場に置くかは店ごとの判断になるが、オンデーズとの協業によって、日本で約200店舗を展開する同社の店頭で販売員が接客しながら商品をアピールできるようになった。
「オンデーズの販売員は眼鏡には詳しいですが、オーディオグラスを売ったことはありません。製品の特徴をどうやって消費者に伝えてもらうか、どういうブランド展開をするか、製品開発以外のことも協議を重ねました」(楊氏)
ファーウェイが21年初夏に日本へ投入した、オーディオグラス「HUAWEI×GENTLE MONSTER Eyewear II」。サングラスと伊達眼鏡タイプの2種を用意。実勢価格はフレーム形状によって異なるが3万2780円から
- 新卒年収4000万円も ファーウェイ「天才少年」を世界で公募開始
中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)は2019年6月、世界から「天才少年」を招聘すると表明し、以降、破格の待遇で中国のトップ大学から20代の新鋭をかき集めてきた。そして先月、世界に向け「学歴不問、5倍の年収」で天才少年の公募を開始。日本からも優秀な若手研究者が採用されるかもしれない。
- シャオミが社員122人に「3億円」特別ボーナス、ファーウェイ失速で絶好調
中国のIT企業は、桁外れのボーナスを奮発することがある。最近は、ファーウェイの失速で漁夫の利を得ているスマホメーカーのシャオミが、1人当たり3億円を超える特別ボーナスを支給し話題になっている。中国のメガIT企業が何かの節目に特別ボーナスを支給するのは、珍しいことではない。
- “世界最薄”のシャオミ、メーカー各社が折りたたみスマホでiPhoneに対抗
スマートフォン市場が踊り場を迎え、大手メーカーの出荷台数が減少する中、中国のシャオミが折りたたみスマートフォンなど新製品を一挙に発表した。2021年にスマートフォンのシェアを大きく伸ばし、EVへの進出も宣言したが、強力な競合がひしめく業界で勢いを継続できるのか。
- 無印、ユニクロ模倣の中国「メイソウ」、迷走の末「脱日本宣言」
中国雑貨チェーンの名創優品の「日本に媚びた」マーケティングがSNSで大炎上し、謝罪した。ユニクロと無印良品、ダイソーを良いとこ取りした店舗で、創業10年足らずで世界に5000店舗を出店するも、中国国内の「愛国」「反日」ムードで爆発。ここからは「第二創業」に匹敵する取り組みとなりそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.