ファーウェイが「アップルのライバル」として急成長を続けていた2〜3年前までは、スマートフォンの新製品を出す度に多くのメディアが取り上げ、カメラやバッテリーの性能を細かく報じた。同社は米国の輸出規制後もスマートフォン生産を諦めておらず、中国では折りたたみスマートフォンなど革新的な製品をリリースしているが、日本市場は投入できる環境ではない。
「全ての消費者に展開できるスマートフォンはなくなりました。代わりにあるのは革新的ながらニッチな製品です」(楊氏)
一方、楊氏はデジタルデバイスの進化と普及を受けて「1社で製品を開発することの限界」と、「スペックを追い求める時代の終焉」も痛感するようになった。
スマートフォンではカメラの性能やバッテリーの持ちを巡る競争が続くが、実際にはそこまでの性能を求めていないユーザーも多い。ニッチな製品ならなおさら、ユーザーの課題解決が突破口になる。
だからこそ、日本でスマートフォンが展開できなくても「製品を見る目が厳しく、ブランドへのこだわりが強い日本の消費者に届く製品をつくることは意義があるし、できることはまだまだある」と楊氏は強調した。
早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育などを行う。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。帰国して日本語教師と通訳案内士の資格も取得。
最新刊は、「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。twitter:sanadi37。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング