リテール大革命

なんでや? 大阪なのに“関東風” 完全セルフ・24時間のうどん店が仕掛ける「未知との遭遇」学生と共同でデータを活用(3/3 ページ)

» 2022年10月24日 07時00分 公開
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8種類の調味料などでカスタマイズが可能 総菜の持ち込みもOK

 メニューは、「かけウドンド」(かけうどん、500円)、「肉かけウドンド」(肉うどん、700円)のほか、油そばのうどん版となる「油ウドンド」(500円)、「肉油ウドンド」(700円)を提供する。油ウドンドはなかなか珍しいメニューだが、これは学生のアイデアだという。お客はタッチパネルから好きなメニューを選び決済し、冷蔵庫から注文したうどんを取り出す。うどんは調理用のアイテムなどと一緒に袋に入っており、調理前の状態でのテークアウトも可能とした。

各メニューは袋詰めで冷蔵庫に入っている

 店内にはネギや天かす、もやしや玉子など一部有料のトッピングに加え、魚粉やカレーパウダーなど8種類の調味料を用意。また、スーパーやコンビニなどで購入した総菜の持ち込みも可能とし、ゆで時間も調整できるようにするなど、十人十色のオリジナルなうどんを楽しめるようにした。

調理場の様子

 肉かけウドンド袋の中には、うどん、だし、天かす、ネギに加え、調理方法が同封されている。だしは、小麦の風味が強い吉田うどん風の麺に負けないよう、しょうゆベースとした。だしとうどんをそれぞれあたため、湯切りした後は、器にトッピングして完成となる。

肉かけウドンドの材料と説明書
齊藤社長

 齊藤氏は「来店した人が好きなようにカスタマイズして麺文化を楽しんでもらえるようなお店を目指す。いろいろなことを試しながら、データを取り、何が必要で、何が不要なのか分析と改善を繰り返しながら進めていくテスト店舗としたい」と意気込みを話す。設備さえあれば、システムを入れるだけで運営できるようになるため、将来的にはフランチャイズ展開の可能性もあるという。

 昨今、飲食業界では人手不足の解消のため、調理ロボットなど、人の手を介さない業態も注目を集めている。その中で、スタッフやロボットではなくお客自身が調理する新業態「完全セルフうどん店」は異色といえる。また、梅田で実施したテスト営業のデータでは、7〜8割の人が“非関西風”のうどんを「おいしい」とした一方、3割ほどが麺の固さに難色を示したという。惑星のウドンドが仕掛ける“未知との遭遇”は、果たして受け入れられるのか、今後も注目したい。

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