リテール大革命

なんでや? 大阪なのに“関東風” 完全セルフ・24時間のうどん店が仕掛ける「未知との遭遇」学生と共同でデータを活用(2/3 ページ)

» 2022年10月24日 07時00分 公開

 同店は、店内データの分析などで大阪大学の院生や学部生らの協力を得ながら運営していくという。不思議な店名でもある「惑星のウドンド」という世界観の考案にも学生が関わった。

 齊藤氏によると「ウドンドのうどんは固く、関西で主流の柔らかいうどんとは異なるため、別物の新しいジャンルとして若い人に認知してもらうにはどうしたらいいか考えた結果」だという。店内の壁には、世界観を広げていくために制作された漫画の1コマを用意した。

店舗の内装

セルフ会計は実験店舗で実証済み カメラや人感センサーなども活用

 将来的には完全無人販売を目指すというが、現在の支払い方法は完全キャッシュレスではなく、現金にも対応している。決済の管理はどうするのだろうか。

 同社は今回の店舗オープンに先立ち、大阪・梅田で半年間にわたり、同業態のうどん屋を試験的に営業。試験店舗では、うどんをゆでる工程だけを店側が行い、決済についてはセルフとしていた。その結果、トータルでレジ金額がマイナスになることはなかったという。

ウドンドでの注文はタッチパネル式。お釣り用の小銭も用意(提供:惑星のウドンド)

 齊藤氏は「ゆくゆくはキャッシュレスのみがベストだが、大阪におけるキャッシュレスの浸透具合と、設備投資のバランスを考えて、現金決済も用意した。イメージとしては、野菜の無人販売所みたいなもの」と語る。とはいえ、念のため店内にはセキュリティとして、スピーカー付きのカメラを4台、モニターも設置し、民間の警備会社とも契約している。

 当面の間、昼はスタッフを配置しつつ、人感センサーを設置してデータを取得していく。集めたデータを基に、商品の補充や器の洗浄、店舗清掃のサイクルを検証していくという。齊藤氏は「当分は当社が運営する近くのラーメン店スタッフが頻繁に顔を出すつもりだが、データなども活用して人員配置を決めていきたい。理想は『無人』というより、店側のスタッフが『調理しなくていい』という状態にすること」と語る。

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