リテール大革命

なんでや? 大阪なのに“関東風” 完全セルフ・24時間のうどん店が仕掛ける「未知との遭遇」学生と共同でデータを活用(1/3 ページ)

» 2022年10月24日 07時00分 公開

 10月22日、大阪府豊中市に「完全セルフ」をうたう24時間営業のうどん店「惑星のウドンド」がオープンした。業態や「惑星のウドンド」という店名だけでもなかなか特徴的だが、使用する麺は、山梨県の「吉田うどん」をベースにした、関西であまりなじみのない「固い」麺。だしもいわゆる“関東風”なしょうゆベースの黒い見た目だ。

 決済をはじめ、冷蔵庫から材料を取り出す、麺をゆでる、盛り付けるなど、全ての工程が完全セルフサービスの店舗では、セキュリティ対策やオペレーションをどうしているのか。それにしても、なぜ、関西風とは縁遠いスタイルのうどんをチョイスしたのか。オープン前の店舗を訪問し、運営企業の齊藤産業(大阪府豊中市)に取材した。

完全セルフ・24時間営業のうどん店「惑星のウドンド」(提供:惑星のウドンド)

 今回オープンする店舗は、阪急宝塚線・大阪モノレール「蛍池駅」から徒歩約2分ほどに位置する。駅直結ビル「ルシオーレ」の裏通りで、同社が運営するラーメン店「みつか坊主」の移転に伴う空き店舗を利用して開業した。24時間営業で座席はカウンターのみの15席。現金とPayPayのほか、 LINEの友だち登録からの事前決済に対応する。平日で100食/日、週末で150食/日を見込み、開業初年度は月商150万円を目標としている。イートインだけでなくテークアウトにも対応する。

「肉かけウドンド」「肉かけ卵トッピング」「かけウドンド」(左奥から時計まわり)

 移転前と同じラーメン店でなく、うどん店にした理由はどこにあったのか。同社の齊藤光典社長は「新型コロナウイルスの感染拡大もあり、集客が難しくなった。デリバリーやテークアウトにシフトしようとしても、ラーメンは麺が伸びやすいし、ぬるくなってしまう」と話す。そこで、吉田うどんにヒントを得た。

 コシのある吉田うどんをベースにすれば、麺が伸びにくく、レンジ加熱でもおいしく食べられる。デリバリーやテークアウトにも適しているため、あえて関西風のうどんと一線を画した固い麺を選んだのだ。通常のうどんよりも小麦の割合を多めとし、水分が少ない固めのコシのある仕上がりにしたという。

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