普段は決算書から分かる経済の流れについて解説している本連載ですが、今回から4回は決算書を読んだり、さらに二ュースを見たりする際に知っておきたい会計用語を、実際の企業の決算を取り上げつつ紹介していきます。
正確なルールや知識というよりは、決算書やニュースを見る際により詳しく意味が分かることを目標にします。
さて、最近は円安が大きく進んでいて、ドル円は150円を超え、為替介入があったりと非常に大きな話題となっています。今回は為替の変動が、企業の業績にどのような影響を与えていくのかを、グローバル企業であるトヨタ自動車(以下、トヨタ)の決算を具体例にしてみていきましょう。
まずは、円安が進んでいた直近の23年3月期の1Qの業績業績です。
売上高は7%増の8兆4911億円、営業利益は42%減の5786億円、純利益は18%減の7582億円。売り上げは増加しつつも減益という状況です。
要因としては、為替に関しては円安の影響によるプラスの効果があったものの供給制約による販売台数の減少や資材高騰の影響が大きかったとしています。
最近は半導体不足が自動車の供給に悪影響を及ぼしていることもあり、物価上昇や資材高騰も起きる中で減益となってしまったようです。
一方で円安に関してはプラスの効果があったとしていて、円安はトヨタに好影響を与えていたことが分かります。
ちなみに23.3月期1Q時点での為替の状況はというと、前年同期比でドル円は20円ほど円安に進んで130円になっています。22年10月時点では140〜150円台で推移していることから、今後の決算ではさらに大きく円安の影響が出てくる可能性が高いと考えられます。
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