現在、個人のコミュニケーションは、LINEなどでチャット形式で行われている。大事な人との普段のやり取りを優れた言語生成AIモデルにずっと記録していき、その人がもし亡くなった場合でも対話を継続すれば、あまり違和感がないやりとりが可能になる。
今後、写真などから相手の顔が自動生成されて、ビデオ電話すらできるようになるだろう。まさに、亡くなった人とやり取りが可能な世界ができてしまうのである。
実は今、そうしたチャットボットが「恐ろしい次元にきている」などと告発したグーグルの元エンジニアがいる。
グーグル(アルファベット社)のブレイク・レモイン氏は、もともと同社が開発している「ラムダ」という名前のチャットボットとの会話に異常が生じないかをチェックする仕事をしていた。常にラムダと会話してきたレモイン氏は22年6月に、ラムダが感情を持つようになったとメディアに訴えたことで物議になった。
ただグーグル側は、その訴えを完全に否定した。多くのエンジニアなどがラムダを使ってきたが、ラムダに感情があると感じた人はいなかったし、「擬人化した人はいない」とも主張している。しかし、上記のジョシュアとジェシカの対話のように、使う側に感情が入ってしまうと、相手に人格があり、実は存在しているのではないかとの錯覚に陥る可能性がある。
一方で、もう存在しない人物をAIで再現して、あたかも存在しているかのように扱うことに違和感を覚える人たちもいると、サンフランシスコ・クロニクル紙は指摘している。死者に対する冒涜(ぼうとく)、という話になるかもしれない。
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