2013年から事務局長として関わってきた刈谷氏が引退する。長らく関わってきたゲームマーケット、日本におけるアナログゲームの位置付けの変化をどのような思いで見ているのだろうか。
「今はまだあまり客観視ができていないので、私の口からは語りにくい質問です。ゲームマーケットの方向性については、新事務局長の草野にお任せします。良い未来が待っていることを願っています」だけ述べている。その上で、日本のアナログゲームについては「もっと日本人の生活の一部に組み込まれていいはず」と語る。
「日本のボードゲーム市場は、もっともっと大きくなってしかるべきだと思っています。スマホが進化し、SNSが普及している中で、人と人とが直接会って過ごす時間はどんどん貴重になっています。そうした貴重な時間を楽しく過ごすためのツールとして、アナログゲームは優秀なのです」(刈谷氏)
その思いを引き継ぐ草野氏は、これからのゲームマーケットをどこに導こうとしているのか。
ゲームマーケット大賞授賞式で講評を述べる審査員長の草場純氏。ゲームデザイナーの創作意欲喚起と社会的認知の向上を目指して創設されたゲームマーケット大賞は一定の成果を果たしたとして2019年度に終了した(画像提供:ゲームマーケット事務局)「アナログゲームの文化は、大きくなっていく途中にあると思っています。やってきたことを継続することは大事ですが、規模が大きくなって別の課題もでてきています。出展者や来場者が何を求めているかを的確に把握して、会場でイベントを開催するだけでなく、もっとゲームマーケットを活用いただけるように新しい提案をしていきたいとも考えています」(草野氏)
草野氏が述べた“課題”には、定期的な開催を見直すかもしれない「ゲームマーケット大阪」のほかに、西日本で活動するアナログゲーム関係者、ユーザーのサポート、表現活動の規制にかかわる問題などがある。ゲームマーケット大阪の今後については「なるべく早いタイミングで発表できるように検討を続けています」(草野氏)とのこと。
日本におけるアナログゲームの普及に向けて、重要な役目をはたしてきたゲームマーケットは、これからどのように進化していくのか。そのヒントを得ることができる、今回の「ゲームマーケット」に注目したい。
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