マーケティング・シンカ論

「トラッキング」「アクティビティの追跡」って結局なんなの? ネット広告のプロに聞いた“ウザい広告”が増える可能性(2/3 ページ)

» 2022年11月15日 08時00分 公開
[ITmedia]

ポップアップの表示が義務化された背景には「プライバシー規制の強化」

――「アクティビティを追跡することを許可しますか?」というポップアップは、いつごろから、何のために表示されるようになったのですか?

回答: 「アクティビティを追跡することを許可しますか?」というポップアップが出るようになった背景には、プライバシー規制の強化があります。2019年に日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が日本全国5000人を対象に行った「2019年インターネット広告に関するユーザー意識調査」では、8割以上が「ネット上での個人情報の活用に不安を感じる」と回答しています。

 iOSでは「iOS14.5」以降から、アプリ上の個人情報収集についてユーザーに明確な同意を取ることが義務化されました。Androidでは「Android12」のバージョンから、トラッキング拒否の設定が可能になったと言われています。

トラッキング 8割以上が「ネット上での個人情報の活用に不安を感じる」と回答

トラッキングを許可しない→“ウザい広告”が増える可能性

――トラッキング許可をするとどうなるのでしょうか? 逆にトラッキングを許可しないと何か不便があるのでしょうか?

回答: 「トラッキングを許可」を選択すると、他社アプリやWebサイトでの行動履歴が収集・分析され、ターゲティング広告が配信されます。広告配信側は、年齢や居住地、Web上での行動などから分析し、サービスや商品に興味関心があるユーザーに絞って広告を配信できるということです。

 「トラッキングしないように要求」を選択すると、アプリやWebサイト上での行動履歴が収集されなくなります。プライバシー面では安心かもしれない一方で、興味のない広告が表示されやすくなります。

トラッキング 「トラッキングしないように要求」を選択すると、プライバシー面では安心かもしれない一方で、興味のない広告が表示されやすく(提供:ゲッティイメージズ)

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