もちろん、ガストも改装を行い、充電用コンセントやフリーWi-Fiを完備。席も2人用、4人用を中心にして、テレワークや少人数の黙食に対応する仕様に変えているが、なかなか思ったようには顧客が戻ってきてくれない。
配膳用の“猫ちゃんロボット”はエンターテインメントとしても面白く、お店で活躍しているが、集客の決め手にはなっていない。
逆に増えたのは、むさしの森珈琲で28店増、バーミヤンとから好しの22店増、ラ・オハナの15店増。いずれも、同社再構築の希望の星だ。しゃぶ葉の7店増も、会社全体が苦戦している中にあって善戦している。
ハワイアン業態のラ・オハナは、ファミレスとは思えない作り込まれたメニュー、空間で評判を呼び、コロナ禍で一気に増えてきた。専門性が高く、ロコモコ、アヒポキ、コナコーヒーなどハワイ料理が受けている。直近2店の実績では、19年比で売上高111%増となっている。
顧客単価も1700〜2000円くらいに達していて、ガストよりは2倍に近い。場所を選ぶ業態かもしれないが、次世代ファミレスの1つの形として当面急成長が続くだろう。50店体制を目指している。
むさしの森珈琲は、コメダ珈琲店に競合する郊外型喫茶。ラ・オハナと共通するメニューもある。居心地の良さを優先しているのが特徴で、座り心地の良い椅子を配置している。席間の距離もたっぷり取っていることから、感染症対策を気にする人にも喜ばれている。1杯のコーヒーの分量が、通常の喫茶の2倍くらいあるのも支持されている。直近5店の実績では、19年比で売上高92%増となっている。
バーミヤンは中華、しゃぶ葉はしゃぶしゃぶ。両方ともやはり専門業態だ。ファミレスも専門性で選ばれる時代となっている。
専門性が高くても、ステーキガストや夢庵は店舗数が減っている。ステーキガストは郊外にも出店してきた、いきなり!ステーキと競合し、もともと苦戦していた。いきなり!ステーキは衰退したが、代わりにやっぱりステーキという、さらに低価格のステーキ店が台頭したため、圧迫されている。
夢庵は和食の業態。シニア世代を中心に宴会が多かったが、コロナ禍で宴会需要が消失した。
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