カプコンの大人気格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズが、今年で35周年を迎えた。1987年に1作目がアーケードゲームとして登場し、4年後の91年から稼働している『ストリートファイターII(ストII)』が世界的な大ヒット。アニメ化やハリウッド実写映画化もされ、2D格闘ゲームの代名詞となった。ストII以降も現在に至るまで作品は続いていて、2023年には『ストリートファイター6』も登場予定だ。
22年に入ってからは、シリーズ35周年を記念したさまざまな取り組みがなされている。企業間コラボとして、22年6月には、サントリーの「天然水スパークリング」とのコラボ商品が販売された。
また、『ストII』に代表されるシリーズの資料などを展示した「ストリートファイター『俺より強いやつらの世界展』」が福岡や東京、北九州でこれまで実施されてきたが、11月18日(金)から12月25日(日)にかけて、ついにカプコン本社のお膝元の大阪で開催中だ。
「ストリートファイター『俺より強いやつらの世界展』」が11月18日、大阪で開催された。写真は2〜3月に開催された東京会場(以下写真は©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.)実はこの「俺より強いやつらの世界展」が実現できたのは、『ストII』の開発にも携わっていた岡野正衛(SHOEI)さんが、シリーズに関する資料を個人で保管していた背景がある。ゲーム開発に限らず、アニメや漫画など、制作の過程の資料や制作物は作品が完成してしまうと廃棄されてしまうことも少なくない。
一方で、例えばアナログからデジタルへと、もの作りの方法が時代と共に変化していく中、過去の制作過程を後世に伝えることは、現在の作り方がなぜそうなったかを知る上で極めて重要だ。実際に制作資料のアーカイブの重要性は近年評価され、ゲーム会社を始め、アニメ制作会社などでも資料を保管する動きが進んでいる。こうした中で、1990年代から個人で資料を保管していた先見の明は特筆に値するだろう。
なぜ、岡野さんは個人で資料を保管していたのか。そしてその“遺産”をどう活用しようとしたのか。その経緯を岡野さんと、2023年発売予定のシリーズ最新作である『ストリートファイター6』のプロデューサーで、今回の「ストリートファイター35周年」企画にも携わっている松本脩平さんに聞いた。
――『ストリートファイター』シリーズが35周年を迎え、盛り上げる動きが盛んです。この35周年を盛り上げていこうというお話はどうやって始まったのでしょうか。
なぜストリートファイターの代表作は『スト2』なのか? 開発者が明かす当時の社内組織
ファイナルファイトが導いた「ストII社会現象」 高コスト開発でメガヒットを実現した社内風土
『ストリートファイター6』、23年に発売 対戦格闘の新時代に新たな価値を提供
「ストリートファイター」35周年記念『俺より強いやつらの世界展』が開催 カプコンとDNPがタッグを組む狙い
カプコン、「ストリートファイター6」を制作 “35周年の熱気”を盛り上げ
転売ヤーの“投機商材”と化したソニーPS5 「1台転売するだけで2万円近い利益」
プロゲーマー「ウメハラ」の葛藤――eスポーツに内在する“難題”とは
「これさぁ、悪いんだけど、捨ててくれる?」――『ジャンプ』伝説の編集長が、数億円を費やした『ドラゴンボールのゲーム事業』を容赦なく“ボツ”にした真相Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング