幼い子どもを連れた家族は、外食時にさまざまな悩みを抱いている。衛生用品の大手メーカー、ユニ・チャームが実施した「赤ちゃん連れの外食」に関するアンケート調査(22年4〜5月、256人が回答)。悩みとして最も多かったのは「途中で泣いたり、騒いだりしたらどうしたらよいか」(61.3%)。次いで「どのようなお店を選んだらよいか」(51.6%)と続いた。
回答者からは「一番心配だったのは、子どもがぐずって周りに迷惑をかけることだったので、個室のある場所を予約した」「ネットで子連れを歓迎しているお店を探した」といった意見が寄せられた。
「抱っこしていないと泣いてしまうので、パパと上の子たちには先にごはんを食べてもらい、その間に赤ちゃんも離乳食。パパが食べ終わったら交代で、ママが上の子たちをみながら食べる…という感じで外食している」といった声もあった。
飲食業界に詳しいグルメジャーナリストの東龍さんは、子ども連れの利用客にとって、外食にはさまざまな制約が伴うと指摘する。
「例えば、ファインダイニング(高級レストラン)では、雰囲気を重視するほか、『一人分のコース料理を食べきれない』などといった懸念から、利用を小学生以上に限定するところもあります。一方で、カジュアルダイニングは、空間の制約があり、回転率を重視することから、利用客にとって居心地の悪さを感じることがあるかもしれません」
そのうえで、今回の魁力屋のサービスについて、東龍さんは「食体験の価値を高める素晴らしい対応」だと話す。
「飲食店は通常、効率や決まったオペレーションを大切にします。本来であればラーメンを2杯同時に提供するところを、時間差で別々に出すということは、手間もかかり、異例のオペレーションです。単純に考えると滞在時間も2倍になり、回転率も落ちます」
「それでもスタッフの方がこうした申し出をできるのは、常に利用客のことを考えているからではないでしょうか。Twitter投稿者も、受けたサービスを当たり前と考えずに、感謝を伝えているのは素晴らしいと思います。それでこそ、お店を開いた意味、食べに行った意味というのが、店側と利用客側の双方にとってあるのかなと感じます」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング