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「週5日も働いてたの?」という時代は来るのか データで見る週休3日制業務改善がキモ(4/5 ページ)

» 2022年11月24日 08時00分 公開
[波戸崎 駿ITmedia]

「給与維持型」の導入は実現できるのか

 現状、週休3日制は3つのパターンに分類されます。

(1)給与・総労働時間が共に減る「給与減額型」

 週40時間勤務を週32時間に減らすことで、そのぶん給与も従来の8割などに減額される。

(2)給与・総労働時間ともに変わらない「総労働時間維持型」

 通常、1日8時間×5日のところ、1日10時間×4日という形で、1日の労働時間を増やすことで休日を1日増やすといった形式。そのため週の合計労働時間自体には変動がなく、給与も週休2日と同額に。

(3)給与は変わらずに総労働時間が減る「給与維持型」

 週40時間勤務を週32時間に減らしながら、給与は維持される。

 (1)の給与減額型と(2)の総労働時間維持型に関しては、働き方の多様化という色合いが強く、企業にとっても現状からの変動リスクを最小限に抑えることができ、制度設計のみで導入可能な企業もあるでしょう。

(提供:ゲッティイメージズ)

 一方で(3)の給与維持型に関しては、人件費を維持したまま勤務時間を減らす形となり、就労者に最も喜ばれると考えられます。しかし、あわせて生産性を大きく向上するなどの業務改革が必要となります。

 (1)〜(3)は同じ週休3日制とはいえ、(3)給与維持型とそれ以外では導入の難易度が大きく異なります。

 (1)給与減額型、(2)総労働時間維持型に関しては、働く時間やタイミングを従業員の意向で変動できるので、「フレックスタイム制」に近い制度ともいえます。

 フレックスタイム制は1988年4月、正式に導入されました。しかしながら、厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査」によると、フレックスタイム制を導入している企業は、全体の6.5%にとどまっています。

 そのため(1)と(2)に関しても、法改正などがなければ、普及が広がらない可能性があります。より導入ハードルの高い(3)の導入率は、ほんのわずかな企業のみになるでしょう。

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