日本製車両採用の「ドーハメトロ」、サッカーW杯観客輸送で活躍中 記者が乗ってみた三菱重工や日立が受注(2/3 ページ)

» 2022年11月26日 07時30分 公開
[樋口隆充ITmedia]

3路線32駅で開業 3年で利用者数5000万人突破

 ドーハメトロは19年5月、「レッドライン」「グリーンライン」「ゴールドライン」の3路線32駅で開業。総延長約86キロメートルのうち、52キロメートルは地下区間で、14年4月開港の新ドーハ国際空港や市内主要部を結ぶ。開業に合わせて、近畿車輛は225両の鉄道車両を納入した。

photo ムシェイレブ駅では3路線を利用可能

 その後、延伸され、現在は計37駅で運行。延伸で近畿車輛は105両を追加納入した。22年3月には利用者数が5000万人を突破し、ドーハ市民の足として活躍している。26年には計画中の「ブルーライン」を含めた4路線211キロメートルが全線開業予定だ。

photo ドーハメトロの路線図

観戦者の運賃無料 W杯開催中は深夜3時まで運行

 W杯の試合を開催する全8会場のうち5会場(ハリーファ国際スタジアム、スタジアム974、エデュケーションシティースタジアム、ルサイルスタジアム、アフメド・ビン・アリ・スタジアム)は、メトロの駅から徒歩でスタジアムにアクセスできる(残りの3会場は各駅からシャトルバスが運行中)。

 通常時は土曜日から木曜日までが午前6時から午後11時、金曜日が午後2時から午後11時まで営業する。料金はスタンダードが2カタールリヤル(1リヤル=40円換算で約80円)、新幹線のグリーン車に相当する「ゴールド」が10リヤル(約400円)だ。ゴールドでは、他の座席よりもクッション性に優れた座席を提供している。

photo 追加料金が必要な「ゴールド」もW杯期間中は無料

 W杯開催期間中は午前6時から午前3時(金曜日のみ午前9時から運行)までの特別ダイヤで営業する。午後10時(現地時間)キックオフの試合もあるためだ。全観戦者の携帯が義務付けられている身分証明のIDカード「ハヤカード」を駅員に提示すれば、料金は無料。スマホアプリ版のハヤカードでも代用できるようにしている。

photo ハヤカードの裏面には顔写真や国籍、パスポート番号などが明記され、カタール政府が観戦者の情報を管理している
photo スマホアプリ版のハヤカード(出典:カタール航空公式Webサイト)

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