鉄道会社とそのグループでは、さまざまな職種の人が働いている。運転士や車掌、駅員、車両や線路の整備をする人はもちろん、駅の売店や駅そばの店員、百貨店やスーパーで働く人、あるいは不動産関連の仕事をする人など、さまざまな人が同じグループの仕事をしている。
さまざまな職種が存在する鉄道会社(提供:ゲッティイメージズ)
会社によっては病院を持っており、そこで働く人もいる。それらの人が1つとなり、鉄道会社のグループを構成している。
多くの鉄道会社は、鉄道事業だけをやっているのではなく、鉄道をメインとした総合企業グループとなっている。売り上げ構成比でみると、鉄道の割合は低いところもある。
多くの企業は、単独の事業セグメントだけに取り組んでいるわけではない。例えば建設会社が運送業を手掛けたり、介護事業を運営していたり、といったケースもある。総合商社が貿易だけではなく、投資会社のようにさまざまな事業に投資するケースもある。
自動車会社が住宅会社を持ち、カード会社を持つことも普通にある。「○○業界」という言葉はあるが、それはあくまで便宜上のものであって、実際は何を主な事業ドメインとしているのか、よく分からない会社が多い。
鉄道会社はその最たるものだ。鉄道をやり、バスやタクシーをやり、商業施設をやり、不動産開発をやり、ホテルをやる。意外な新事業が鉄道会社から出てくることも多い。
そういうことができるのは、日本企業の働き方の「柔軟さ」があってこそだ。
- 次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
- ドラえもんがつくった地下鉄は公共交通か? ローカル線問題を考える
『ドラえもん』に「地下鉄を作っちゃえ」という話がある。のび太がパパのためにつくった地下鉄は公共交通と認められるか。この話をもとに、公共交通になるための過程、利用者減少から撤退への道のりを考えてみたい。
- 2025年の大阪・関西万博で、鉄道の路線図はどうなるのか
2025年に大阪、夢洲で「2025年大阪・関西万博」が開催される。政府は主要公共交通機関に大阪メトロ中央線を位置付けた。このほか会場へのアクセスには船とバス、さらに具体化していない鉄道ルートが3つ、近畿日本鉄道の構想もある。また会場内の交通には、3種類のモビリティが計画されている。
- 不人気部屋が人気部屋に! なぜ「トレインビュー」は広がったのか
鉄道ファンにとって最高の「借景」が楽しめるトレインビュールーム。名が付く前は、線路からの騒音などで不人気とされ、積極的に案内されない部屋だった。しかし鉄道ファンには滞在型リゾートとなり得る。トレインシミュレーターや鉄道ジオラマなど、ファンにうれしい設備をセットにした宿泊プランも出てきた。
- 東京メトロ「有楽町線」「南北線」の延伸で、どうなる?
東京メトロ有楽町線と南北線の延伸が決定した。コロナ禍で事業環境が大きく変化する中、東京メトロが計画する今後の戦略とは。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.