鉄道会社の「総合職」は何のために必要なのか:納得の理由(2/5 ページ)
近年、いや1990年代の終わりころから、日本企業の「働き方」に関する議論が、さかんに論じられている。
メンバーシップ型かジョブ型か、新卒一括採用は必要なのか、専門性を身につけさせるべきなのか、オールラウンドプレーヤーを目指すのか、などという論点が活発に議論されてきた。議論こそ百家争鳴(ひゃっかそうめい)ではあったものの、結局のところあまり変わらなかった、ともいえる。
そんな中で、鉄道会社グループの従業員の働き方も、あまり変わらなかった。
平成の約30年間で鉄道会社の「働き方」はどう変わったのか(提供:ゲッティイメージズ)
鉄道事業では、入社してきた人に社内教育でさまざまなことを教え、一人前の車掌や運転士に、あるいは駅長を目指すように導く体制は長年変わらない。当然ながら長期雇用を前提としている。
その他の事業でも、職業能力の向上を目指し、各事業領域の中で重要な人物になることを目指すことは変わらない。
鉄道会社グループにはさまざまな層の従業員がいる。子会社に入ってそれぞれの仕事を伸ばしていく人、鉄道部門に入って鉄道員として一生を終える人などさまざまだ。飲食や小売りなどの現場では非正規職の人も活躍している。
そしてさまざまな業務を束ねる職種として、グループを統括する「総合職」の社員がいる。
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