青砥駅は京成本線と押上線が合流する。分岐点は青砥駅の隣の京成高砂駅だ。直通列車は成田スカイアクセス線、京成本線の両方で設定されているから、直通列車と京成線、北総鉄道の列車が青砥駅〜京成高砂駅で合流、分岐する。
青砥駅〜京成高砂駅間は複々線化されているため交通量を維持できる。問題は京成高砂駅だ。立体交差と分岐器によって列車を振り分ける。そこに高砂検車区という電車の車庫の入出庫用線路が加わる。このやっかいな線路配置を、京成電鉄本線、都営浅草線直通、京急電鉄直通、北総鉄道の列車が共有する。だからダイヤ改正は4者の合意が必要だ。京成電鉄だけの都合でダイヤを変更できない。
複雑な列車運行を整理するために、京成線、都営浅草線、京急線電鉄、北総線のダイヤは「20分サイクル」パターンとしている。接続点を20分サイクルで発着すれば、自社線内で多少の変更は可能だ。スカイライナーが20分おきに走る理由も20分サイクルだからである。いや、スカイライナーを20分おきに走らせるために20分サイクルになったかもしれない。いずれにせよ、スカイライナーは京成上野駅発00分、20分、40分になった。
しかし、スカイライナーを青砥駅に停車した場合、停車時間が加わるから20分サイクルを維持できない。1分停車させるためには、到着時の減速、発車時の加速が必要で、つまり3分が必要だ。高砂駅を3分遅れで発車させると20分サイクルが崩れる。ではどうするか。その3分だけ、上野駅で早発することで解決した。これが17分発、37分発になった理由だ。
高砂駅の臨時停車は京成電鉄単独で実施した。京成上野駅発車時刻で解決したから、都営地下鉄浅草線や京急線側のダイヤ改正は不要だ。しかし、11月26日のダイヤ改正は4者同時のダイヤ改正である。京成側がスカイライナーの運行間隔を工夫して、京成上野駅発00分、20分、40分に戻せるかもしれない。筆者の期待はそこにあったけれど、予想は外れた。4者が協定した20分サイクルは崩せなかったというわけだ。少しの変更が車両のやりくりや乗務員の手配に影響するから、東京都交通局や京急電鉄の準備が追いつかなかったかもしれない。あるいは京成側の譲歩である。
ダイヤ改正前の京成上野駅〜青砥駅〜成田空港駅間のダイヤ。青がスカイライナー、赤が特急。緑は快速。青砥〜京成高砂間の運行密度が高く、相互直通運転の要になっている(列車ダイヤ描画ツール「OuDia」にて筆者作成)
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