ワークマンの営業部が追うKPIは3つだ。
1つは棚割り導入率をコントロールすること。棚割導入率とは、本部が推奨する商品が店舗に並ぶ率のこと。ワークマンでは、棚割導入率を75〜80%の範囲に収めておくと、売り上げも上がり、滞留品も残らないということが分かっている。
2つめは、マイナス在庫を50SKU以下に抑えること。マイナス在庫とは、理論在庫数がマイナスになることを指す。SKUとは、平たく言えば商品の種類のことで、同じデザインの白と黒のTシャツ、S/M/Lサイズがあるとすれば、6SKUとなる。ワークマンはAIを活用した需要予測発注システムを運用しており、適正な発注を維持するには、理論在庫の精緻(せいち)化がキモとなっている。
3つめは、売り上げ伸長に最も大きく影響する新商品の在庫をコントロールすることだ。
ワークマンでは、この3つが適正に行われていれば、売り上げが伸びるという相関が得られている。営業は自らデータ分析をしながら、ひたすらそれを管理しているのだという。
経営陣のマインドや企業文化、評価基準、これらを変えないままワークマンのまねをしても、本質的には何も変わらないということか。
「一番大切なのは、自分たちで考えてやることだと思います。外からDXの優秀な人を連れてきたり、パートナー企業に頼んでやってもらったとしても、おそらく今のワークマンにはなっていないでしょう。なぜなら、連れてこられた人は結果を残さなくてはとシステム導入を優先させると思いますが、それで全社員のマインドまで変えるのは難しいですよね。何年かかってもいいのでまずは素地をつくり、自分たちで必要なものを生み出せる会社にならないと」(林さん)
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