値上げしたスシロー、値上げしなかったサイゼリヤ…… 話題のトピックから見えた外食産業の苦悩と未来長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/6 ページ)

» 2023年01月05日 06時34分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

 2022年の外食産業を振り返ると共に、若干であるが23年の見通しに言及してみたい。

 日本フードサービス協会が発表した、22年1〜11月の月次結果報告によれば、外食全体では全ての月で全店売上高が前年を上回った。その意味では、コロナ禍からの回復が見られた1年だった。

外食産業は今後どうなる?(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 対前年同月比は、1月:112.2%→2月:104.8%→3月:105.9%→4月:113.5%→5月:120.4%→6月:119.9%→7月:114.5%→8月:118.0%→9月:119.7%→10月:114.8%→11月:108.9%となっている。

 特に4月以降の回復が顕著。11月は冬の新型コロナの流行、第8波に合わせて伸び率が鈍化した。

 1月9日〜3月21日は、第6波の感染拡大で最大37の都道府県で、まん防(まん延防止等重点措置)が適用されたが、外食の回復基調は変わらなかった。

 これを、コロナ前の対19年比で見たらどうなるか。

 1月:88.5%→2月:84.5%→3月:86.3%→4月:91.9%→5月:95.4%→6月:93.1%→7月:98.5%→8月:90.6%→9月:94.1%→10月:105.5%→11月:100.7%となっている。

 10月にようやく19年の水準を上回っていることが分かる。

 19年は、9月までは外食が好調だった年で、7月に前年同月を下回った以外は、全ての月で前年の売り上げを上回っていた。

 19年10月には、消費増税により店内飲食では税率が8%から10%に上がった。その影響で、全店売上高は対前年比97.6%と低調だった。そこを考慮しなければならないが、今はほぼコロナ前の水準に、外食の売り上げは戻ったといえるだろう。

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