ソニー・ホンダモビリティが1月4日(現地時間)に発表したバッテリー式EV(BEV)の新ブランド「AFEELA」(アフィーラ)。初めて披露されたセダンタイプのプロトタイプの車体にも注目が集まる中、同社は発表会で、人気オンラインゲーム『フォートナイト』の開発などを手掛ける、米エピックゲームズとの提携を発表した。車を単なる移動手段から、エンタメ空間にする狙いがある。
エピックゲームズは2022年4月、ソニーグループから1250億円の巨額出資を受けると発表。仮想空間「メタバース」領域での連携強化などが主な狙いとされ、グループ会社であるソニーホンダモビリティの車体開発でも連携することで、グループとしてのシナジー効果にも期待が高まる。
(関連記事:ソニーG、人気ゲーム「フォートナイト」開発元に1250億円追加出資 出資元が「PS5」のSIEでない理由)
エピックといえば、ライトユーザーにはフォートナイトの開発元として知られているが、業界内ではむしろゲームエンジン「Unreal Engine」(アンリアルエンジン)の開発元としての知名度が高い。同製品は3Dでのリアルなコンテンツ制作が可能で、フォートナイトなどのヒットゲームがゲームエンジンとして採用している他、近年はアニメ制作などにも活用されている。ソニーとの関係も深く、これまでも同製品を用いて、ゲームやコンサートなどのコンテンツを制作してきたという。
近年、自動車各社は電動化に加え、通信機能や各種センサーを備えた「コネクテッドカー」の開発による自動運転技術の向上にも取り組んでいる。自動運転化が進むことで、ユーザーが移動中の車内を楽しめるような空間を提供することも各社には求められている。
ソニーホンダモビリティはエピックとの提携について「リアルとバーチャルの世界を融合していくことで、移動空間をエンタテインメント空間、感動空間へと拡張するとともに、メタバースなどデジタルをフルに活用し、新しいエンタテインメントの可能性も追求する」と説明している。
エピックのキム・レブレリCTO(最高技術責任者)は 「ソニーとソニー・ホンダモビリティとともに、新たなエンタテインメントを届け、時代をリードするコネクテッドカーにしたい」と意気込んだ。
サービスの詳細は明らかになっていないものの、グループ全体でのゲーム大手との連携の行方に注目が集まりそうだ。
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