2024年に開始する新たなNISA制度は、岸田政権の肝いり政策である「資産所得倍増計画」を実現する上で重要な立ち位置を占めることになるだろう。
NISA制度とは、個人投資家が株式や投資信託などを保有・売却する際にかかる所得税や住民税などを一定の投資期間にわたって非課税とする制度だ。これまでNISA制度には、「一般NISA」と「つみたてNISA」、そして「ジュニアNISA」の3種類があった。新たなNISA制度では、ジュニアNISAを廃した上で一本化されることとなる。
実は「新NISA」という構想自体は、19年に発表された「令和2(2020)年度税制改正大綱」から存在した。しかし、当時のプランはあくまで「現行制度の延長線」というべきもので、制度移行に関する関心や認知も低い状態であった。
一方、23年度の税制改正大綱で示された新NISAについては、文字通り“桁違い”の非課税枠が確保できるだけでなく、利便性も大きく向上することになる可能性が高い。
そこで今回は、新たなNISA制度のあらましと、業界への影響について検討していきたい。
かつて金融庁が「老後2000万円問題」を取り沙汰した際は、大きな話題となった。この問題を巡っては、現役時代も厳しいのに、さらに老後のために2000万円が必要だというショッキングな内容がクローズアップされた。しかし、問題の本質は別の部分にあると考えている。
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