2022年のモバイル業界を振り返ると、常に楽天モバイルを取り巻く事案が注目されたという印象だった。23年も目が離せそうにない。
同社のプレスリリースから22年を振り返ってみると、半導体不足の影響などで延期されたものの2月に4Gの人口カバー率96%を達成。3月には役員の異動を行い、会長に三木谷浩史氏、CEOにタレック・アミン氏、社長に矢澤俊介氏という現在の体制になった。
そして5月に発表された新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」によって、1GBまで0円で使えたUN-LIMIT VIが廃止。無料で利用してきたユーザーが他社の安価なオンライン専用プランやMVNOなどに乗り換えたことで、携帯電話事業に本格参入して以降、初めて契約者数が減少した。
とはいえ、全ユーザーが有料プランの契約者になったので、収益自体は改善している。ARPU(1ユーザー当たりの月間平均収益)も22年第1四半期が837円のところ、第3四半期は1472円まで上がってきた。ただ、他の3キャリアのARPUは4000円前後なので、まだかなりの差がある。
楽天モバイルは23年中の単月黒字化を目指している。達成は難しいのではという意見も目にするが、それでも実現に向けてキャンペーンからコストカットまで、さまざまな手を打ってくるだろう。
0円プランを廃止した6月以降、ARPUは上昇している。グラフの2588円は通信料金を中心としたモバイルARPUと、楽天グループの各種サービス利用から導きだされた「エコシステムARPUアップリフト」を合わせたもの(楽天グループ2022年度第3四半期決算説明会資料より)
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