なぜ分岐させたのか? 2024年モデルの新構造マフラーのイラストを見ると、密閉された空間がある。この空間が消音室の役割を果たす「レゾネーター」であり、この消音室を設置するのが大きな目的だった。
「イラストの上の方からエンジン音が伝わってきます。分岐して右にも左にも音は伝わりますが、左に伝わった音はこのレゾネーターによって低音域のみピンポイントで消音されるのです」(川口氏)。これによって、車外騒音規制に対応した。
左に伝わったエンジン音が消音される一方で、排気ガスは右方向にしか流れない。「左方向は密閉されているので、排気ガスは必然的に右から排出されます」(川口氏)。排気ガスの流れを一切変えることなく、動力性能を維持したのだ。
マフラーを分岐させることで、車外騒音規制、動力性能の維持の2つをクリアした開発陣。残る課題である高揚感をもたらすサウンドを成立させるにはどうすればいいのか? 開発陣が着目したのが、ジャンボジェット機のジェットエンジンだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング