海外の人と働いて「生産性」を高めるには? 時差を武器にする人的資本開示が義務化(4/5 ページ)

» 2023年01月26日 08時00分 公開
[秋沢崇夫ITmedia]

米国時間(時差13〜17時間)

 米国の場合は昼夜が逆転するため、概念を大きく変える必要がある。

 米国在住メンバーが少し遅めの始業〜終業ができれば、日本と同期する業務時間が増える。さらに、時差を利用し「寝ている間に仕事ができている仕組み」をつくることが必須だ。

【例】米国の場合(日本から見てマイナス16時間)

黄:日本タイムと一緒に仕事(打ち合わせ、商談など)

青:個人の仕事

 上記のように、それぞれの時差を意識した業務設計が肝要だ。例えば、上記に挙げた米国時間のメンバーの場合、働く時間が重なる3時間の使い方が重要になってくる。この時間を「コミュニケーションの時間」と捉え、業務認識の齟齬がないかなどを、オンラインチャットなどで積極的に確認する必要がある。具体的には、認識の齟齬がないか、アウトプットの方向性は正しいか、今後の依頼予定業務についてのすり合わせなどである。

 さらに、海外にいるメンバーとチームとして業務を進めていくうえで重要なポイントは以下の通り。

(1)全員のタスク表を全員で管理

 互いに依頼するタスクを、それぞれのタスク表に入力し、抜け漏れをなくす。

(2)「いいやつであろう」の精神

 気付いた人が、気付いたタイミングで対応する。放置していたら流れてしまう危険性もあるため、自分の仕事をオーバーラップしながら、お互いにフォローし合う。

(3)テキストコミュニケーションで的確な指示

 時差のあるメンバーとのコミュニケーションでは、テキストでのやり取りが増える。相手に伝わるか、分かりやすいか、気持ちよく仕事ができるかなどのテキストコミュニケーション力が必要。

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