バンダイナムコエンターテインメントは2022年12月26日、東京・芝にある本社で「PROJECT IM@S カンファレンス」を開いた。同社の主要IP(知的財産)である『アイドルマスター(『アイマス』)』シリーズの今後の戦略について、主にビジネス向けに発表したものだ。
カンファレンスでは、23年は『アイマス』シリーズで2本のテレビアニメ展開が予定されていて、「アニメイヤー」であるということ。『アイマス』シリーズの1作品である『アイドルマスター シャイニーカラーズ』と環境省との協働、そして『アイマス』シリーズのフェーズ3に相当する「PROJECT IM@S 3.0 VISION(3.0 VISION)」という新戦略が発表された。
「3.0 VISION」では、ユーザーに対してより強固な「複合現実」空間を提供していくとしている。『アイマス』シリーズのアイドルたちの活動の可能性の拡大を目的とするMRプロジェクト推進の一環として、動画配信プラットフォームで、ライバー(配信)活動を通して展開していく新アイドルコンテンツ「PROJECT IM@S va-liv(ヴイアライヴ)」が新たに発表された。
他にも、同社の公式エンタメコマースサイト「アソビストア」や自社配信プラットフォーム「ASOBISTAGE(アソビステージ)」の機能とも連動した、Web3.0型バーチャル拠点を創出する新ポータルサイト「アイドルマスター ポータル」をリリースした。
『アイマス』シリーズは05年にリリースされたアーケードゲームに始まる。以来17年以上に渡って続いているコンテンツで、10代から上は50代からまで、幅広い年代にファンがいる。『機動戦士ガンダム』シリーズ同様、さまざまな派生作品が誕生しており、現在5作品(ブランド)で展開している。
『アイマス』シリーズの売上推定総額は100社以上のパートナー企業も含め、19年度で600億円以上にのぼるとされる。
展開されている累計楽曲数は1300曲以上で、22年は全国のドームやアリーナなどで30公演以上の音楽ライブを開催。オンラインを含め計65万人の観客が動員されているという。
これは『アイマス』シリーズ5作品の合計値であるものの、この年間65万人という数字は、同じ22年の「乃木坂46」の36公演53.4万人、「Sexy Zone」の34公演58.5万人、「Mr.Children」の14公演63.8万人を超える規模だ(いずれも日経エンタテインメント!調べ)。
『アイマス』がバンダイナムコを代表する人気コンテンツファンであり続ける秘訣(ひけつ)は何か。複数ブランドで展開するメリットはどこにあるのか。
前編に引き続き、『アイマス』プロジェクトを統括するバンダイナムコエンターテインメントの波多野公士ゼネラルマネージャーと、「わかちこP」という通称で知られる同マーケティング課の狭間和歌子マネージャーに聞いた。
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