江ノ島電鉄(江ノ電)が今春、クレジットカードのタッチ決済による乗車に対応する。江ノ電を含めた三井住友カードなど6社が3月3日までに発表した。4月以降、江ノ電全駅にタッチ決済対応の改札機を導入する。タッチ決済対応は首都圏の鉄道事業者では初めて。国内外から観光客が集まるエリアの鉄道インフラに導入することで、利便性向上とともに、タッチ決済の普及促進を図る。
江ノ電は、「Suica」「PASMO」などの交通系ICによる従来型のタッチ乗車には対応していたものの、利用には現金などでのチャージが必要だった。これに対し、クレカやスマートフォンによるタッチ決済は、改札機の専用読み取り部にタッチすることで、ユーザーはチャージ不要で乗車可能となり、利便性が高まる。
米ビザによると、海外ではタッチ決済での公共交通機関の乗車が多く、世界615の公共交通で導入実績があるという。政府が国外からの水際対策を緩和し、外国人観光客が増える中、旅行者が使い慣れたタッチ決済導入で、切符購入のストレス解消や、券売機や清算時の駅窓口の混雑緩和などの効果が期待される。
事業には江ノ電や三井住友カードに加え、ビザ・ワールドワイド・ジャパン、ジェーシービー(JCB)、日本信号、QUADRACが参加。「Visa」「JCB」「American Express」「Diners Club」「Discover」から対応し、「Mastercard」や中国人観光客が主に使う「銀聯」は、順次追加予定だという。
導入時期は明確になっておらず、現時点では「4月以降」となっている。6社は「具体的な開始時期については、改めてお知らせする」としている。
公共交通機関へのクレカのタッチ決済導入を巡っては、福岡市が1月、市営地下鉄全駅(3路線36駅)に導入すると発表。地下鉄全駅への導入は全国初だといい、3月27日の開始に向け、準備を進めている。
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