楽天グループ(楽天G)の社外取締役に、安藤隆春(あんどうたかはる)元警察庁長官ら5人が就任する。同社が2月24日に発表し、3月30日付けで就任する見通しだ。安藤氏はこれまで多くの企業で社外取締役を務めてきたが、今回抜擢した楽天Gの狙いはどこにあるのか。
安藤氏は1949年8月31日生まれの73歳。東京大学法学部卒業後の72年に警察庁に入庁し、94年9月、群馬県警察本部長に。内閣総理大臣秘書官(96年1月)、公安部長(99年8月)などを歴任し、2009年6月、警察庁長官に就任した。ジャーナリストの寺澤有氏が手掛けた著書『安藤隆春元警察庁長官と暴力団』にあるように、長官在任時は暴力団対策を強化したことで知られる。
11年の退官後は、ニトリやゼンショーホールディングス、東武鉄道、日清製粉グループに加え、大手芸能事務所のアミューズの社外取締役も務めている。
今回、楽天Gが安藤氏を社外取締役に抜擢した理由は何か。同社に質問したところ、次のような回答が得られた。
「安藤氏は、これまで内閣総理大臣秘書官や複数の企業で社外取締役を歴任していることから、豊富な経験と幅広い見識を有している。今後、グループが持続的に成長するため、客観的な視点から業務執行に関する助言および意見をいただくことを期待して選任した。さまざまな議論が行われる取締役会で、経営に関する多角的な議論を自由闊達に行っていただくことで、社会貢献の推進ならびにコーポレート・ガバナンスの実効性を高めていきたい」(楽天G広報)
安藤氏のほか、社外取締役には元財務官僚で内閣府審議官などを歴任した羽深成樹氏(はぶかしげき)、武田和徳氏、廣瀬研二氏、セダール・二―リー氏がそれぞれ就任する。一方で、久夛良木健氏(くたらぎけん)、ジョン・V・ルース氏は3月30日付けで退任する。
新たな取締役の詳細な経歴などは同社公式Webサイトで公開している。
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