くら寿司は3月2日、回転レーンにおける迷惑行為を防ぐ「新AIカメラシステム」を全店舗に導入した。
迷惑動画が外食チェーン全体で問題視されていることを受けての対応だ。各座席のレーンには、すし皿をカウントする「AIカメラ」が設置されており、そのカメラがレーン上の不審な動きを察知する仕組みだ。迷惑動画が社会問題化してから約1カ月というスピードで全店導入までこぎつけた。
くら寿司は抗菌寿司カバーを導入していたので、迷惑行為は起きにくいと考えられてきた。しかし、一度取り出したすしを再びレーンに戻す動画がSNSで拡散していた。
3月2日に開催された新システムの発表会において、広報・マーケティングを担当する岡本浩之本部長は「回転すし」にこだわる理由を語った。
岡本本部長は、外食において「安心・安全」「おいしさ」「リーズナブルな価格」を実現するのは当たり前だと強調する。たくさんのお店がある中で顧客から選ばれるには、この3つの要素に加えて「記憶に残る“楽しさ”」が必要だという。
回転レーンが提供するのは、「ウィンドウショッピング的な楽しさ」(岡本本部長)だ。具体的には、「さまざまなメニューが回転レーン上を流れているのを目で追いかけるワクワク感」「すぐに取って食べられる手軽さ」「商品を選べる楽しさ」を挙げた。
一方、最近増えている専用レーンタイプのすしチェーンには「ネットショッピングの楽しさ」があると説明した。
こうした回転すしのエンタメ的要素は、子どもにも喜ばれる。回転すしチェーンがターゲットとするファミリー層にも支持されやすい。
また、独自の製造管理システムなどにより需要予測精度を高めれば、すしの廃棄率も抑制できるという考え方だ。
迷惑動画騒動で大きな影響を受けたくら寿司は、回転レーンを活用した提供システムを維持できるか。
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