一方、ロッテリアの企業理念は「すべてのお客様に感動と満足を」である。ゼンショーの強く具体的なそれに比べ、美しく抽象的な企業理念で50年間経営してきた。
「世界を救おうとする企業」と「お客様を満足させようとする企業」。両社の連携が円滑に進むかどうかが、今回のM&Aの成否を分ける。果たして、ロッテリアは、ゼンショーの企業理念に共感できるだろうか。
「選択と集中」という言葉が流行って久しい。21年3月には、東急不動産が「東急ハンズ」(現ハンズ)をカインズに売却している。本業以外の事業継続は、ますます困難になりつつあるようだ。ハンズは創業47年、ロッテリアは創業50年。他社の手に渡るとはいえ、なじみの店があり続けるのは喜ばしいことではないだろうか。
久しぶりにロッテリアで食べる。「絶品チーズバーガー」は相変わらず濃厚だった。「半熟タマてりバーガー」の卵のゆで加減は絶妙だった。あくまで筆者の主観だが、マクドナルドと比べても、味は見劣りしないと思う。あとは、価格とプロモーションだ。どちらもゼンショーの得意とするところ。新生ロッテリアには、安価で美味しいハンバーガーを期待したい。
1964年生まれ。経営コンサルタント。「関谷中小企業診断士事務所」代表。
ソフトウェア会社で16年勤務し、システム開発や生産管理、経理などに従事。Webデザイン歴19年。中小企業診断士登録後は、企業診断を実施する傍ら、「bizSPA!フレッシュ」、言論プラットフォーム「アゴラ」などの媒体でビジネスライターとしても活動中。
Twitter:@kakanrilabo
公式Webサイト:「関谷中小企業診断士事務所」
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