このように周辺環境など事実を客観的に見ると、楽天の資金面に明るい材料はほとんどなく、現状は「どこで行き詰るか分からんが、行けるだけ行ってみろ」というチキンレースを展開しているかのようにも思えてきます。
三木谷社長の言う「戦略的業務提携・外部資本の活用」は、完全白旗状態でのモバイル事業の売却すらも視野に入れたものではないのか、とうがった見方もしたくなる、そんな状況ですらあると思います。
もちろん、モバイル事業の単体での黒字化が果たせるならばすべての問題は解決するのですが、契約者数、月間平均ARPU(契約者あたり月平均収入)、基地教数すべてが大手3社と比して圧倒的に後塵を拝している現状では、これが一番難しい。
当面は外部資金に頼る以外にない状況がまだまだ続く中、「金の切れ目が野望の切れ目」になるのかならないのか、23年は楽天にとって本当の正念場になりそうです。
株式会社スタジオ02 代表取締役
横浜銀行に入り現場および現場指導の他、新聞記者経験もある異色の銀行マンとして活躍。全銀協出向時はいわゆるMOF担として、現メガバンクトップなどと行動を共にして政官界との調整役を務めた。銀行では企画、営業企画部門を歴任し、06年支店長職をひと区切りとして円満退社した。その後は上場ベンチャー企業役員などとして活躍。現在は金融機関、上場企業、ベンチャー企業のアドバイザリーをする傍ら、出身の有名超進学校人脈や銀行時代の官民有力人脈を駆使した情報通企業アナリストとして、メディア執筆者やコメンテーターを務めている。
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