攻める総務

良かれと思った「最適化」が呪縛に──総務が陥るワナ、どう回避する?「総務」から会社を変える(1/2 ページ)

» 2023年04月10日 07時00分 公開
[豊田健一ITmedia]

 総務の仕事は改善がつきもの。今ある制度をより良くする、いまあるオフィスの環境をより良くする、総務の業務、総務が提供するサービス、手配しているモノなど全ての施策をより良くする──それが総務のミッションでもある。つまりは変えること、まさに戦略総務のことである。

 ただ、年がら年中変えられるか、というとそうでもない。

 ある程度改善しつくすと、ITツールを使い、最短距離で業務が回る最適化された状態に到達する。その状態でマニュアルが作られ、以降、そのマニュアル通りに担当が代われど粛々と業務が回っていく。当該業務の改善が完了、ということになる。

 それはそれで、総務として合格となる。しかし一方で、環境変化が激しい世の中、技術の進展もある。従業員のニーズも変化していく。ミレニアム世代、Z世代、価値観が微妙に異なる世代も、続々と入社、そして主役となってくる。最適化されたものが最適化でない状態となる可能性がある

良かれと思った最適化が、呪縛になることも(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 最適化の呪縛とは、いったん最適化されたものを環境が変化しているのにもかかわらず、そのままの状態で数年運用し続けることである。

 思考停止状態で、当該業務のマニュアルを後生大事にそのままの運用を続けてしまう。もしかしたらその運用は時代遅れであり、むしろ、そのまま続けることが弊害となっている可能性があるかもしれないのにだ。

 例え、最適化された状態であっても、常に見直すことが求められる。見直した結果、まだ通用するのであれば良い。だが、見直さないのは問題である。総務業務については、聖域なくして、常に一定のタイムスパンで見直すことが必要なのだ。最適化の呪縛は、総務の首を絞める状態となる。

業務の見直しに、欠かせない視点は

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