「空間に浮遊するウイルス・菌・ニオイを除去」などと合理的な根拠のない表示で除菌用品「クレベリン」を販売したとして、消費者庁は4月11日、製薬会社「大幸薬品」(大阪市)に対し、景品表示法違反(優良誤認)で6億744万円の課徴金を支払うよう命じた。景品表示法違反の課徴金としては過去最高額になるという。
消費者庁は「クレベリン」の表示が景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして「大幸薬品」に対し6億744万円の課徴金を支払うよう命じた(消費者庁のプレスリリースより、以下同)
消費者庁によると、違反の対象はクレベリンの置き型、スティック型、スプレー型の計5商品。同社は2018年9月から22年4月、商品パッケージに「空間に浮遊するウイルス・菌・ニオイを除去」などと記載して販売していた。
消費者庁が記載の裏付けとなる根拠を示す資料の提出を求めたところ、閉鎖空間において特定の浮遊ウイルス・浮遊菌の除去は確認できたものの、一般的な環境での効果は認められず、合理的な根拠が示されなかったという。
違反の対象となった商品のパッケージ
これらの表示は景品表示法違反の「優良誤認」にあたるとして消費者庁は同社に対し、11月13日までに6億744万円の課徴金を支払うよう命じた。
大幸薬品は同日、公式Webサイトで「関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、改めまして深くおわび申し上げます。景品表示法に関する考え方について、役員・従業員への周知徹底、広告審査体制強化を行い、再発防止に努めております」などと謝罪した。
同社は措置命令を受けた商品について、景品表示法上問題がない表示に変更して販売を再開している。
違反の対象となった商品のパッケージ
消費者庁によると、景品表示法違反による課徴金命令は、今回のケースのように商品やサービスの「品質や性能」に関して消費者を誤認させる「優良誤認表示」と、「価格その他の取引条件」に関して消費者を誤認させる「有利誤認表示」が対象になるという。
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