「亀田の柿の種」といえば、1966年に発売された亀田製菓(新潟市江南区)を代表する商品だ。4月7日、同社の公式Twitterが投稿した動画が大きな反響を呼んだ。動画のタイトルは「目からウロコな亀田の柿の種の袋の開け方」――。5万件超もの「いいね」を集めた話題の食べ方と、同社が新たな食べ方を提案した経緯を聞いた。
動画で紹介されている袋の開け方は、まず袋の表面が谷になるように半分に折る。そして袋の背の部分を切っていく。袋を折りたたんだ状態でテーブルに置くと、袋がバランスよく立ち、器のようになる。
「実はこの袋の開け方は、十数年前から一部の社員の間で行われていました」
こう話すのは、同社マーケティング戦略部「亀田の柿の種」担当の天津美香さんだ。
SNS投稿をきっかけに今までになかった開け方として大きな反響となったが、社内では必ずしも新しい方法ではなかったようだ。ではなぜ、今回こうした投稿に至ったのだろうか。
「今回、この開け方に『スタンド』という名前を付けて、広く知ってもらい、亀田の柿の種をもっと楽しんでもらおうと考え投稿しました」
「小粒な亀田の柿の種だからこそできる開け方です。亀田の柿の種というと、男性のおつまみというイメージを持っている方も多いと思います。今年から新たなブランドテーマを『Let’sクラフト 亀田の柿の種 「楽しい」をつくろう!』を掲げ、おつまみだけでなく、いつでも、どこでも、だれとでも食べてもらえるお菓子を目指そうと考えています」(天津さん)
コロナ禍を契機にリモートワークや「おうち時間」が定着し、仕事をしたり、ゲームをしたりしながら片手で菓子を食べる機会も増えた。
「この開け方で、今までよりも食べやすくなるのはもちろん、ただ袋を開けるだけの行為が、みんなと一緒に楽しめるようになったりと、今まで以上に幅広いシーンで楽しんでもらいたいという思いから提案しました」と天津さんは話す。
従来のイメージにとどまることなく、新たな装いを付加し、幅広い世代に訴求する不断の発信や改良が、ロングセラー商品につながっているのだろう。
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