ほっともっと、なぜ380円「のり弁当」が圧倒的1位? 計算された「3つの食感」ベスト3の商品は?(1/3 ページ)

» 2023年05月11日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

 全国で2452店舗(4月末時点)を展開する持ち帰り弁当チェーン「ほっともっと」で、最も販売数の多い商品は「のり弁当」(380円)だという(豚汁などのサイドメニュー除く)。開発担当者に、販売数ベスト3の商品の特徴やこだわりのポイントを聞いた。

全国で約2500店を舗展開する「ほっともっと」

 のり弁当は年間約3400万食売れている(おかずを豪華にした470円の「特のりタル弁当」も含む)。

 のり弁当は、店内で炊いたごはんの上におかか、昆布を盛り付け、その上に焼きのりを敷いている。いずれもの具材もごはんとの相性の良さを重視しているという。のりの上には白身フライ、ちくわ天、きんぴら、たくあんがある。

人気1位「のり弁当」には「だし醤油」が付いている

 白身フライには特にこだわりがある。口に含んだ際にふっくらとした感触になるように、独自の加工をしているという。また、淡白な味わいの中にも魚のうまみが感じられるようにしているのも特徴だ。

 担当者は、手ごろな安さだけでなく、日本人向けに飽きが来ない味にしている点が支持されている理由だと分析する。のり弁当は他の商品と比べて特にリピート率が高いという。

人気1位「のり弁当」
ごはんとの相性がよい具材を使用
きんぴらとたくあん

 味付けだけでなく、食感のバランスにもこだわっている。具体的には、ちくわ天の弾力ある食感、フライのサクサクとした食感、ごはんのやわらかい食感だ。食感が同じような食材の組み合わせだと途中で飽きてしまうので、異なる食感が楽しめるようにしているという。

「特のりタル弁当」(出所:ほっともっと公式Webサイト)

 近年、原材料費や物流費などの高騰で外食チェーンが相次いで値上げを実施している。例えば、牛丼(並)はかつて280円で食べられたこともあったが、現在では松屋やすき家は400円で提供している。大手牛丼チェーンは持ち帰りにも注力しているが、ほっともっとののり弁当は価格的に同水準となっている。

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