住宅展示場のバイトはつらかった(涙) マンション価格の高騰で、私の「妄想」を奪わないでITmedia ビジネスオンライン Weekly Top10

» 2023年05月12日 12時00分 公開
[小林可奈ITmedia]

ITmedia ビジネスオンライン Weekly AccessTop10

2023年05月01日〜05月07日

 先週、最も読まれた取材記事は『吉野家が「牛丼とから揚げの店」を目指してる!? 並々ならぬやる気を見せている理由』となった。

photo 吉野家は、から揚げに注力する方針だ(吉野家ホールディングスの決算資料より)

 牛丼チェーン「吉野家」を展開している吉野家ホールディングスは、2024年2月期のから揚げ販売数目標を、前期比200%と掲げており、本記事ではその取り組みの訳を紹介している。

 から揚げに注力することのメリットはいくつかあるが、その中に「テークアウト利用がしやすい」「客層拡大に役立つ」というものがある。

 個人的な話だが、吉野家のから揚げを何度か購入したことがある。普段、牛丼を食べに行くことはほとんどないのだが、手軽にから揚げを食べられるのが便利で利用した。新規顧客が、テークアウトで買っていく──まさしく吉野家の狙い通りだったわけだ。

 牛肉の取り扱いがメインの吉野家で、鶏のから揚げを提供する理由は実はもう1つあるのだが……詳しくは記事をお読みください。

住宅価格の高騰で、失われた楽しみ

 TOP10入りはしなかったものの、「高騰するマンション価格、2010年の約2倍に “バブル”はいつ弾けるのか」もぜひ読んでいただきたい1本だ。全国のマンション価格は13年前と比較して「ほぼ2倍」まで値上がりしている。長く“安全な資産”と見なされてきたマンション価格が、値下がりする時は来るのか?  今後の展望を解説している。

 筆者は家を買った経験はまだないが、折込チラシで物件の間取りや価格を見るのが密かな趣味だ。この部屋は寝室にして、この部屋は仕事部屋に。帰宅してからの導線は……と、買う予定もないのについ妄想してしまう。

photo 住宅展示場の大きな家が並ぶ光景にテンションが上がる(画像はイメージ。提供:ゲッティイメージズ)

 物件好きが高じて、学生時代には住宅展示場でアルバイトをしていた。単発バイトで、週末になると各地の展示場におもむく。住宅メーカーが趣向を凝らした部屋をのぞけるだけで楽しいのだが、実は派遣バイトが家の中を見られるのはほんの一瞬で、勤務時間のほとんどは家の前に立ち、来場客の呼び込みをしていた。

 これが想像以上につらい作業だった。というのも、住宅展示場の来場客は、休日であってもそれほど多くはない。日によっては1時間に2組くらいしか通らないので、本当に暇なのである。

 閑散期にもなんとか顧客を呼び込もうと、メーカー側は家の前に来場特典を並べたり、テレビを置いてCMを流し続けたりして集客を図る。筆者はその横に立ち、いつ来るとも知れない客を1人で待ち続けるのだ。CMの長さは1本30秒。このセリフを、あと何十回聞けば昼休憩……。

 それでも、普通の家では考えられないような贅沢(ぜいたく)な空間使いや、工夫の凝らされた間取りを見るためだけに頑張れた。折込チラシで見るとき以上のワクワク感があったのである。

 近年はチラシを眺めるにも、価格があまりに高く、現実味がなくなってしまった。もう少しお手頃になってもらわないと、妄想がはかどらなくて困る。

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