この告発会見、ネットでは盛んに報じられていますが、マスメディアでの報道がどこまで広がったのか、Gサーチで検索したところ、「カウアン」「1か月」の結果(5月8日時点)は、産経新聞が5件、共同通信・毎日新聞・北海道新聞・西日本新聞が各3件、朝日新聞・東京新聞・中日新聞・中国新聞が各2件、時事、NHK、読売新聞・神戸新聞・河北新報が各1件、なお、テレビ番組放送データ9件のうち、TBS2件、毎日放送2件、政見放送3件、NHK2件。通信社・全国紙・全国ニュース網で合計39件。地方紙を含めると69件。
一定量の露出は確保していますが、テレビの露出は見劣りします。思った以上に広がりに欠けています。未成年者を性犯罪から守る観点から、マスメディアが果たす役割を業界全体で検証する声が上がってくるのでしょうか。
一方、企業側のジャニーズ事務所はどのような公式見解を出しているのでしょうか。会社の公式Webサイトは、3月31日の「システムメンテナンスのお知らせ」で更新が止まっています。とはいえ、共同通信には、4月12日にコメントを出しています。
弊社としましては、2019年の前代表の死去に伴う経営陣の変更を踏まえ、時代や新しい環境に即した、社会から信頼いただける透明性の高い組織体制および制度整備を重要課題と位置づけてまいりました。本年1月に発表させていただいておりますが、経営陣、従業員による聖域なきコンプライアンス順守の徹底、偏りのない中立的な専門家の協力を得てのガバナンス体制の強化等への取り組みを、引き続き全社一丸となって進めてまいる所存です。
透明性の高い組織、というのであれば、全文を会社Webサイトに掲載する選択をするべきでした。他メディアにはコメントせず、共同通信に対してのみコメント文を提供している点も透明性は感じられません。この文書であれば、曖昧過ぎて何について語っているのかよくわからないので、むしろWebサイトに掲載した方がよいくらい。1社だけ特別対応するよりもよほど印象はよくなります。
そして、4月21日に報道されたのは、ジャニーズ事務所が取引先に送付した文書。株式会社ジャニーズ事務所 代表取締役社長 藤島ジュリーK.名で出され、「問題がなかったなどと考えているわけではございません」「このようなメディアでの報道、告発等については真摯に受け止めております」とし、「タレントの育成現場や活動の場においても、専門家や中立性のある窓口への相談が可能な体制・制度を現在準備しております。後日詳しくご報告させていただきます」。前向きに対処していくとのことであれば、こちらも取引先だけではなくWebサイトに掲載した方が、より明確に信頼回復への第一歩を示せたといえます。
※編集部注:ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長は5月14日、動画と文書を発表し「何よりも被害を訴えられている方々に対して深くおわび申し上げます」と謝罪した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング