方針策定にあたって、久保氏らはまずカスハラ対策室を立ち上げた。そして、(1)データ収集、(2)対応策を検討、(3)経営層への提案の3ステップで進めることにした。
第1ステップでは、カスタマーハラスメントの実態を知るため、「言われて傷ついた言葉が含まれる対応履歴」をメンバーから募った。
たった1日で180件も集まったケースを分析すると、最も多かったのは「過剰要求」(58.1%)だった。次に「人格否定」(22.6%)、「脅迫」(12.9%)と続いた(2021年6月10日〜22年9月7日に発生したものから算出)。
次の第2ステップでは、法務部と連携しながら「どのような形へ落とし込んでいくか」について、具体的なカスハラ対策を検討した。この時、主に参考としたのは厚生労働省が出している「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」である。
2022年に作成されたこのガイドラインで厚労省は「事業主は、従業員を顧客の不当・悪質クレームから守るのが望ましい」と示している。これを基にfreeeは自社の事情に照らし合わせながら一つ一つ対策を検証した。
そして最後の第3ステップでは、これまでの結果をもとに「経営層への提案」を行った。経営層からは理解を得られたばかりでなく、アドバイスや提案も受けたという。
こうして久保氏らはカスハラに対する社内向けガイドラインとして、下記の9つの行為をカスハラと定義した。
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