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最初に分かったのは「外国人は北海道の不動産をそれほど買っていない」ということ。ニセコのホテルを購入する外国企業はあるようだが、北海道で新築マンションを個人で買う外国人の話はあまり聞かない。
一方で、現地の取材で驚いたことがいくつかあった。それらは、想像だけでは浮かび上がらない「現地の真相」というべきものだった。
まず、札幌の最新超高層マンションはびっくりするくらい高スペックだった。
札幌駅近くで建設されている「ザ・札幌タワーズ」の場合、長期優良住宅でZEH(ゼッチ)、しかも「電力自営線供給+地域熱供給」という東京、大阪のマンションでも実現していない先進性を備えている。これは、マンションの近くでの発電や高温水生成がないと実現しないもの。どこでも実現可能な特徴ではない。
「ザ・札幌タワーズ」のモデルルームLDK(筆者撮影)
それなら住んでみたい、と思える要素を備えた超高層マンションなのである。
一方で、旭川のマンションは立地の魅力が大きく、道民だけでなく、道外からセカンドハウス目的で購入を検討する人たちのハートを掴んでいる、という事実もわかった。
旭川市内で最高額3億5000万円の住戸が抽選になったのが「プレミスト旭川ザ・タワー」。この超高層マンションがなぜ道内外の人に注目されているのか。
答えは、立地にある。
建設地は旭川駅から徒歩4分で、これまで旭川で建設されたマンションの中で、最も駅に近い。そして、駅から建設地の間に「イオンモール旭川駅前」があり、平和通買物公園にも面している。
「平和通買物公園」は、約50年前に完成した「日本初の歩行者専用道路」である。幅約20mで長さは約1キロメートル。両脇に商業施設、飲食店が集まり、頻繁にイベントが開催される「旭川近郊エリアの中心」となっている場所だ。
日本で最初の歩行者専用道路でもある「平和通買物公園」。左手にマンション建設現場が見える(筆者撮影)
その平和通買物公園の入り口(駅に近い側)部分に同マンションは建設される。
旭川の街を知っている地元民ならば、「あそこは特別」と認める場所に建設され、旭川市内で最高層のタワーマンションなので注目度が高くなるわけだ。
一方で、同マンションには、セカンドハウス利用の道外購入者が多いという特徴もある。
東京の人がセカンドハウスとして北海道のマンションを買おうとするとき、旭川に目を付ける人が多い。だから、人気になっている、というのだが、その理由がおわかりだろうか。
セカンドハウスでマンションを買うなら、札幌市内のほうがよさそう。しかし、実際は札幌だけでなく、旭川の人気も高かったのである。
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