独自コンセプトでオタク女性の支持を得ているクララだが、それゆえの課題もある。
「トレーナーの採用は難しさを感じます。オタク女性に寄り添えるオタクであるトレーナー人材が少ないためです。当初はトレーナーも女性限定にしていたのですが、面接を通じて男性でも素質がある人材がいると分かり、22年6月から男性トレーナーも在籍しています」
面接では、SAKU代表が会員役を演じてシミュレーションを行い、オタク女性を傷つけずにやさしく対応できるかを見ているそうだ。「オタク女性への理解がある」だけでなく、自身もオタクであるトレーナーにこだわるのは、オタク女性の信頼を維持するためでもあるという。
「オタクの方々が気にしているのは、『ちゃんとオタクがやっているのか』というところ。オタクビジネスはもうかるゆえ、搾取されたり、バカにされたりしてきた時代があって、みなさん『本当に大丈夫なの?』といぶかしがる傾向があります。クララは、ちゃんとしたオタクによるオタクの方々のためのサービスなんだと信頼してもらっているので、それを真摯(しんし)にやっていきます」
SAKU代表は自身を「重度のオタク」と表現し、推しと結婚式をあげ、その様子をジムのSNSや代表ブログで公開したこともある。フィットネス業界とは無縁のキャリアでありながら、たった4カ月の準備期間でクララを開業したバイタリティーの持ち主でもある。
オープン時から全国展開は想定していたが、いずれは海外進出も狙いたいと意気込むSAKU代表。どこまで独自路線を貫くのか。今後の展開も、つい追いかけてしまいそうだ。
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