すでにトヨタは、全く同じ悩みを抱えていた「ノア」「ヴォクシー」の現行モデルで、この問題の解決方法を見つけていた。顧客の要求を全部無条件に飲んでいる限りこの問題は解決できない。だからノア/ヴォクシーは床板の厚さを20ミリ増やして、そのたった20ミリを利用してフレームメンバーとスライドレールを強引に2階建て構造にした。
そして「それだと乗降性が……」という反対意見を封じるために、からくり仕掛けの収納式ステップをオプションで用意したのだ。この泣きの20ミリでノア/ヴォクシーの剛性問題は見事に解決された。それは走り出してすぐに分かるほど大きな変化だったのである。
より高い品質を求められるアルヴェルでは、これを35ミリに増やし、さらに高い剛性を与えることで、振動を旧型の3分の1に削減した。ミニバンの宿痾ともいえる2列目シートの振動問題はこうして解決された。
ただ、この話はノア/ヴォクシーに試乗して、あまりの改善ぶりに驚き、試乗から戻ってから、展示されているフレームを前に、エンジニアを質問攻めにして聞き出した内容だ。今回アルヴェルも同じようにフレームのカットモデルを前に、構造を見て確認した。だが、本当にすばらしく改善されたかどうかは、最後の最後、乗ってみるまで断言できない。
ただし、今回はすでに書いたように同じ手法を使って大化けしたノア/ヴォクの例があるので、割と疑っていない。というか大いに期待している。
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