五十嵐氏はCM音楽制作会社、楽天トラベルを経て、現在はPR事業を手がけるMake.(メイクドット)社と横丁文化社の2社の代表を務めている。スナックに魅了されたのは10年ごろで、当時、旅行業に携わるなかで「その土地を深く知りたい」とスナックの扉を叩いた。
「私が魅力を感じたのは、ママの個性が生きるスナックコミュニケーションです。ママがハブとなって人と人とをつなげるうちに、初対面同士があっという間に仲良くなるシーンが何度もありました」
「スナ女」の名称でスナックを広める活動をしていた五十嵐氏に、ママたちからSOSが届いたのは20年4月のこと。緊急事態宣言により営業不可となり、「売り上げを上げられる場をオンラインでつくれないか」と相談されたのだ。そうして20年5月に生まれたのが、スナック横丁の前身となる「オンラインスナック横丁」だった。
国内外のスナックにオンラインで訪れるサービスで、初回は30分1500〜2000円と試しやすい価格設定の店も多い。売り上げの一部が利用料として横丁文化社の取り分となり、残りは各スナックに分配されるビジネスモデルだ。
まずは8店舗と小規模でスタートしたが、メディア露出やSNSでの拡散を通じて予約数や加盟店が拡大。今では約100店舗が加盟している。当初は常連客の利用を想定していたが、蓋(ふた)を開けてみるとリアルのスナックとは客層がガラッと異なっていたという。
「リアルのスナックは9割が男性で、常連客の年齢層は60〜70代。対して、オンラインスナックは6割が女性、利用者の年齢層は30〜40代がメイン。そして、初心者が6割でした。初心者にとっては、しきたりなどが分からなくても安心して利用でき、スナックデビューに最適だったようです」
中には月60万円を売り上げるほど盛況な店舗もあるとか。オンラインスナック横丁が、新規顧客の獲得や売り上げの維持に貢献したわけだ。
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