以前、『アマゾンの新しい返品方法 お金を返し、商品は回収しない──なぜ?』という記事を書き大きな反響がありました。同記事では、顧客から返品の申し出があった場合に返金のみを行い、商品はそのまま顧客の手元に保管してもらうアマゾンの「Keep it」という取り組みを紹介しました。これは、商品回収にかかる送料や、検品・再入荷などにかかるコストがいかに高くつくかという事情を反映した事例といえます。
このように返品に関して試行錯誤を繰り返すアマゾンですが、6月末にさらに新しい取り組みを発表しました。
近い将来、顧客が返品したい商品を「箱なし、ラベルなし」で、米国の大手文房具小売チェーン「ステープルズ」に預けられるようにするというものです。
ステープルズ 公式Webサイト
アマゾンは既に傘下のスーパーマーケットである「ホールフーズ」や、提携店舗先である衣料品などを販売する小売り大手「コールズ」で返品を受け付けています。なぜ、このタイミングであえて「文房具店」と組むことにしたのでしょうか?
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