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「ダイバーシティ推進」のウラで「高齢者に早期退職」迫る企業のちぐはぐ働き方の見取り図(1/4 ページ)

» 2023年07月24日 06時30分 公開
[川上敬太郎ITmedia]

 多様性を意味する「ダイバーシティ」(Diversity)という言葉について、読者の皆さんはどんな感想を抱くでしょうか。公平性(Equity)や包摂(Inclusion)の頭文字とあわせて「DEI」や「D&I」と表記するなど、企業もさまざまな形でダイバーシティの推進を掲げています。

 一方で「パフォーマンス化している」「見せかけに過ぎない」――などと疑問視する声が多いのも事実です。

 ダイバーシティ経営について、経産省は「多様な人材を生かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義しています。しかし、全ての企業がこの通りに経営しているとは限りません。

 企業はどのような目的でダイバーシティを推進しているのでしょうか。また、ダイバーシティ推進への疑念は、なぜ生じるのでしょうか。

企業が掲げるダイバーシティ推進への疑念はなぜ生じるのか。写真はイメージ(ゲッティイメージズ)

著者プロフィール:川上敬太郎(かわかみ・けいたろう)

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ワークスタイル研究家。1973年三重県津市出身。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼 編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関『しゅふJOB総合研究所』所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦・主夫層”の声のべ4万人以上を調査したレポートは200本を超える。NHK「あさイチ」他メディア出演多数。

現在は、『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰、『ヒトラボ』編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。


企業がダイバーシティを掲げる3つの理由

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